2013年8月2日金曜日

ジャンルの件

○前置き
 前に、予告したものと違う内容の気がしますが、まあそれは脇に置いて、今回はジャンルについてあれこれ考えたので、適当に書き記しておきます。


○ジャンル
 ジャンル、というと例えばミステリ、SF、コメディ、云々かんぬんと様々にあるでしょうけれど、果たしてジャンルとは何でしょうか。私達は日常で上記のようなジャンルをよく耳にし、使っていると思います。そしてジャンルというのはとても便利なもので、あるジャンルを調べると無数の作品が出てきて、その中から適当に面白そうな作品を選ぶなんてこともしておられるでしょう。あるいは、作品分析の中では、この作品はあるジャンルに分類されて、あるジャンルにはあの作品も含まれているなんて、作品と作品の共通項を探し出せるなんてこともあるでしょうか。
 しかし、このような考え方があまりにも大手を振っておりますと、まるでジャンルの中に作品が含まれているような印象を受けてしまうかと思います。ジャンルではありませんが、このブログの記事にはラベルが付けられておりますが、このラベルを辿ると、例えば評論ならば評論のラベルが付された記事が並ぶことになります。このようなことはジャンルにも言えるかと考えられ、特定のジャンルの中に作品が目録として並ぶことになります。
 では、果たしてジャンルの中に作品が存在していると考えることは実際を捉えているのでしょうか――私の結論としては否であります。最も的確な反論としては、作品は複数のジャンルを備えていることがある、というものでしょうか。例えばラブコメディとか……え、ラブコメディというジャンルですって? でしたら、アクションラブコメディはどうでしょう。あるいは、SFアクションラブコメディは? あまり繋げすぎると無いよと思われてしまうのでここら辺でやめますが、作品はあるジャンル且つ別のジャンルということが平気で起こるものです――特に最近はなのでしょうか、スーパーフラットなんて言葉が出てますから(詳しくは知りませんけれど)。
 また別の反論としては、作品がジャンルに分けられる時、それは最終的に作品が完成し、それを読む、見る、聴くなどした結果として起こるものと思われます。つまり、読者等々が都合の良いように勝手に決めていると考えた方が宜しいということです。
 それで、結論ですが、ジャンルの中に作品があるのではなくて、作品の中にジャンルが様々あると考えた方が実際を捉えていると考えられます。

 このことは、何もジャンルばかりではなくて、例えば萌え要素もそうでしょう。よく例に出される某キャラクターがいますが、彼女はネコミミ且つメイド服且つ何々且つ何とか且つあれこれ、であって、萌え要素の中にあるのではなくて、萌え要素を彼女自身が持っているのですよね。お偉い学者さん方は分かっているのでしょうけれど、偶に無闇矢鱈にジャンル分けだ、分類だ、と言う人がいらっしゃるのですよね。

 ジャンルに代表されるような分類等々は、あくまでもその作品を理解する上での補助でしかなくて、ある特定の視点からの考察を明瞭にするものだと思いますが、作品の中にジャンルがあるのだと理解して、必ず作品全体ではどうかという問い掛けを忘れてはいけません。


○後書き
 一切の参考文献もなく考えたのですけれど、あまりにも当たり前の内容になりましたね。いくらスク水ネコミミ少女が可愛いからと言っても、スク水とネコミミだけでの判断は出来ないのですよ。
 そういえば、書き忘れましたが、今やジャンルはその殆どが境界無く地続きな状態かもしれませんから、その内にミステリ47%、SF26%、恋愛17%、コメディ10%、なんて分析をする人がいるかもしれませんね。そんなのを見たら「バカだなぁ」ときっと笑うでしょうけれど。